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栄養三色のバランス食の献立や優しい食品の知識を掲載した当会の機関紙です。
毎月、お送りいたします。
A4判 8ページ 購読料 年間 2,500円
お知らせ
4月号より、「あかるい食生活」は、全8ページカラーになりました。
今後も、よりよい紙面づくりに努力いたします。皆様からのご感想、ご意見などをお寄せください。お待ちしています。
706号(平成24年2月1日)目次
- 折々の記:嗜好品について
- 東日本大震災を体験して②
- 醸造酒について
- 江戸東京野菜の物語
- 季節を楽しむおいしい台所69
- ひろば/まごたち食8 火と文明の神 迦具土を見よ

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まごたち食 8
火と文明の神 迦具土(かぐつち)を見よ
福島の原発の核融合まで起こした事故はいまだ収拾とは程遠い状態で、放射能に汚染された田畑、山、海の除染はほとんど不可能といってよい状態で大勢の住民の生活を奪っている。牛肉、牛乳の放射能汚染は畜産農家から自殺者をだしたほどの悲劇的状態で、農産物の放射能汚染は輸出もすべて停止した状態になっている。
このような状態をもたらした責任はだれにあるのか。国民のだれもがおもう疑問にマスコミも、政府も電力業界も有識者といわれる学者もだれも答えようとしない。国民も電力の恩恵をこうむっていた、原発をもつ市町村も電源対策費で潤っていた、などという意見もだされ、一億総懺悔のような状態になりつつある。
責任を問わずに未来をみましょう、という訳である。同じことは第二次世界大戦の敗戦後にもみられた。戦争に導いた軍部も、政治家も、マスコミも、思想界もだれも反省せずにうやむやのうちに一億総懺悔になったのである。このことが如何に戦後の日本人の精神を損なったか、今にしてわかる。
このようなやりきれない気持ちを「火と文明の神 迦具土を見よ」(新幹社)はきびしく代弁してくれている。これは閻魔大王がこんどの原発事故に関係する者を審問するという、佐賀純一独特の語り文学の形をとっている。「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれるよ」という言葉が死語となり、原発事故では真実が少しも国民に伝えられていなかった。原子炉建屋の爆発後もメデイアに登場する学者や保安院の審議官はさしたる危険はないかのように説明し続けた。彼らはうそつきに徹していて、閻魔大王の詮議を受けねばならない立場なのだ。
作者の佐賀純一は慶応義塾大学の医学部卒業後、ハワイのクワキニ病院でインターン中に心筋梗塞を起こし、死生をさまよったことで土浦で開業しながら小説を書く道に入った。
どの小説も、金も権力も関係なく、平穏な生活をのぞむ庶民の祈りが描かれている。本書でも藪医竹庵が最後に参考人として呼ばれ、火の神迦具土への祈りをとりもどし、古来日本人が最も愛する人生を取り戻すにはどうすればよいのか、ということを答えている。今回の事故にやりきれない鬱憤を感じている人に、またこれからの希望を探し求めている人にぜひ一読を勧めたい。
社団法人生命科学振興会理事長
渡邊 昌











