文部科学大臣賞:長崎県立五島商業高等学校:課題「しょうゆ」

主題:広がれ!!  しょうゆのWA

五島商業校舎photo 私たちの学校がある福江市は、長崎県の自然豊かな五島列島にあります。本校は五島唯一の専門高校で、商業科・情報処理科・家政科の3学科があり、地域との交流を盛んに行っています。
 ところで、私たちは授業などで、栄養について学ぶ機会はあるのですが、今ひとつ実生活と結びついていないように感じました。そこで、健康な生活をおくるための食生活の知識を深めるとともに、日本の伝統的な調味料であるしょうゆについて研究し、しょうゆの有効な利用法を広めたいと思いこの主題を設定しました。
 


実態調査

@全校生徒アンケート実施
 1)食事の10のチェックポイント
 まずこの調査を全校生徒に実施しました。点数以外のことで、芋類と海藻類の摂取量が少ないということに気付きました。
 2)生活習慣について
 朝食ぬきが日常的になっている人が一部見受けられました。また、自家製弁当は3/4の人が持ってきており、良好でした。
 3)しょうゆについて
 しょうゆの種類、原料などについてアンケートを行いました。この結果、しょうゆは身近な調味料でありながら、正しい知識をもたれていないことがわかりました。
 また、五島特有と思われる、刺身を淡口しょうゆで食べる家庭も1割ありました。

A三色お弁当調査
 昼食に何種類の食品を食べたか、赤・黄・緑のシールをそれぞれ貼ってもらい、平均を出しました。どの食品がどの色になるか意識付けするのに効果的でした。

B善教寺保育園アンケート
 保育園の保護者の方に協力していただき、アンケートを実施しました。その結果、園児が一番苦手な野菜はピーマンでした。

C五島保健所訪問
 栄養士の方に平成13年度長崎県民栄養調査の結果について説明を受けました。長崎県の特徴は、食塩の摂取量が全国に比べてやや低いということでした。また、コレステロールの摂取量が男女とも15〜17歳の私たちの年代が最も多いことが気がかりな点でした。

Dしょうゆについての市場調査
 しょうゆの種類も価格も様々でした。市内大型スーパーやしょうゆ会社五島支店の方に売れ行き状況を伺ったところ、一番売れているのは長崎県内産1.5gの淡口しょうゆでした。最近では消費者の健康意識も高まり、減塩しょうゆの種類も増えたほか、しょうゆの二次加工品であるめんつゆやポン酢なども売り上げを伸ばしているそうです。

Eしょうゆ工場見学
 しょうゆの製造過程を実際に見学し、しょうゆの歴史、材料なども詳しく教えていただきました。その中で、鎖国時代に長崎からしょうゆが世界に輸出されていたことを聞き、長崎としょうゆの関係についても考えるようになりました。




@しょうゆについて
 課題研究の授業でしょうゆについて調べ、6月の課題研究中間発表会で、クラスに紹介しました。1月末に本発表を後輩たちにも見てもらいました。

A淡口しょうゆと濃口しょうゆの違い
 しょうゆ入りマドレーヌで淡口と濃口の違いについて研究するほか、しょうゆ入りシフォンケーキなどのお菓子作りに挑戦しました。

Bしょうゆを使った料理
 1)長崎の郷土料理
 長崎としょうゆの関係に興味を持ったので、卓袱(シッポク)料理、南蛮料理について調べ、実際に作ってみました。卓袱料理とは、和・唐・蘭の料理がミックスされたもので、大皿を大勢で囲んで食べる形式のものです。まず、料理はお鰭(ヒレ)から始まります。その他に、角煮などが代表的ですが、これにもしょうゆが使われていました。
 南蛮料理とは日本に渡来したポルトガル人やスペイン人から伝えられた料理です。私たちが作った料理は、パスティ、ごうれん、そぼろです。特に意表を突いた料理はパスティでした。煮物の上にパスタ生地をのせて焼く料理で、和と蘭が入り交じった料理であることを感じました。

 2)三色そぼろおにぎり・みたらし団子の試作
 手軽でバランス良く食品を摂取できる三色そぼろおにぎりを考案しました。また、五島特産の潮豆腐を使い、子どもからお年寄りまで食べてもらえるようにみたらし団子を試作しました。

 3)バランス弁当コンテスト
 三色の食品がバランスよく摂れるようなお弁当を考え、コンテストを実施しました。優秀作品を3点選び、掲示板に写真を展示しました。

C海外のしょうゆについて
 カナダやアメリカ出身のALTの先生や、中国に留学されていた先生にそれぞれの国でのしょうゆの使い方や日本のしょうゆとの違い、食生活の状況を教えてもらいました。特に印象的だったことは、中国では各家庭で衣食同源の教えがなされていることでした。



校内での普及活動

 1)家庭クラブだより
 月に一度家庭クラブだよりを発行しました。クイズ形式で、生徒に栄養やしょうゆについて興味を持ってもらうように工夫しました。

 2)掲示板の利用
 栄養三色ポスターや標語、家庭クラブだよりを掲示しました。

 3)料理講習会
 しょうゆを使ったみたらし団子や、三色そぼろおにぎりを一緒に作りました。どれもおいしいと参加者全員に好評でした。

 4)文化祭
 しょうゆコーナーを設け、ポスター・タペストリーの展示やしょうゆの塩分測定を行ってもらいました。また、減塩しょうゆを使ったみたらし団子の試食もしてもらいました。
 
 5)標語募集
 食生活について、より関心を持ってもらうため、全校生徒に“食生活改善の標語”を募集しました。その中から、よい作品をいくつか選び展示しました。

 6)PTA総会での紹介
 PTA総会の際に、保護者の方々にも私たちの活動を知ってもらうためにパンフレットと、しょうゆ入りマドレーヌを配布しました。
 
 7)「しょうゆについて」CD-R製作
 「しょうゆについて学びましょ〜ゆ」というクイズ形式で楽しみながら学べる、CD-Rを情報処理科の3年生に依頼し、作ってもらい、家政科のみんなに試してもらいました。しょうゆについて楽しく学べて、興味が持てたとの感想をもらいました。次は商業科のみんなにも試してもらいました。


校外での普及活動

 1)おやつサービス
 これは、一人暮らし等のお年寄りに毎月実施しているボランティアですが、栄養についてのチラシとはがきを添えて手作りのしょうゆクッキーやみたらし団子をプレゼントしました。お年寄りからはがきの返事をいただき、活動をしていく上で勇気付けられました。

 2)保育園訪問
 栄養三色すごろくを作って、市内3か所の保育園に持っていきました。

 3)保育園児との交流会
 3つの保育園の子どもたちに学校に来てもらい、一緒に三色そぼろおにぎりやお菓子を作りました。また、栄養についての話しも聞いてもらいました。

 4)学童訪問
 栄養三色運動をポスターなどで紹介し、手作りの栄養三色すごろくで一緒に遊びました。

 5)乳幼児検診 
 栄養三色運動についての説明をし、栄養タペストリーをプレゼントしたほか、しょうゆを使ったみたらし団子の試食もしてもらいました。私たちの話しを真剣に聞いていただきました。タペストリー作りも大変でしたが、喜んでいただけたのでよかったです。

 6)施設訪問
 知的障害者授産施設ふじ学園とデイサービスはまゆうで、栄養三色について説明し、バランスよく食べることを呼びかけました。

 7)販売実習
 商業科の3年生が市内アーケードの空き店舗で実施した販売実習で私たちの作ったみたらし団子を売ってもらいました。豆腐入りということと減塩しょうゆを使っているということで、市民の皆さんからも好評をいただき、2時間も経たずに完売しました。

 8)新聞での紹介
 地元新聞社の取材を受け、大きく報道されたことは、活動の励みになりました。



 今回の活動は、私たちの食生活を見直すよいきっかけになりました。栄養についてはみんなあまり興味がないと思っていたのですが、実際に調べてみると、いたるところで意識が高まってきていることを感じました。また、私たちの身近な調味料「しょうゆ」について様々なことがわかり、新たな使い方なども発見でき、みんなにPRすることができました。
 この活動を通して、地域の方々との交流の「和」がさらに深まりました。昔、長崎から海外文化が全国に広まったように、五島の地からこれからも栄養改善の「輪」を広めていきたいと思います。

白石あゆ美 竹野咲子 藤原美香
(指導:酒井淑子)